機械式駐車場の仕組みとは?覚えておきたいメリットとデメリット
2022年02月19日 23:03:16
機械式駐車場の仕組みとは?覚えておきたいメリットとデメリット
商業施設や大規模マンションなどで馴染み深い機械式駐車場ですが、仕組みによっては個人宅でも設置されることがあります。入居したいマンションの駐車場が機械式駐車場だったというケースもあるでしょう。そこで、機械式駐車場を利用するうえで知っておくべき仕組みや、機械式駐車場のメリットとデメリットなどを説明します。機械式駐車場の種類と仕組み
機械式駐車場の種類と仕組み
機械式駐車場にはパズル式やエレベーター式などいくつかの方式があり、それぞれ収容方法や設置される場所が異なるのが特徴です。ここからは代表的な5種類の機械式駐車場と、その仕組みについて紹介します。
地上二段式
地上二段式とは、その名の通り地上に車を停めるタイプの駐車場で、上下に2台の車を停めることができます。個人宅にも設置されることが多いです。地上二段式は、パレットの上に車を乗せ、上下に移動させることができます。ただし、上段の車を出したいときには、一旦下段の車を動かさなければいけません。そのため、集合住宅では利用できない方式です。
ピット二段式
ピット二段式は、地上二段式のように上下に2台の車を停められるタイプの駐車場です。ただし、下段は地下のピットに収納されているため、地上からは上段に停めた1台の車しか出すことができません。下段の車を出したい時は、機械を作動させ地上の位置まで動かす必要があります。ピットの深さによっては三段式になっていることもあります。このタイプの駐車場は、下段の車を移動させなくても、上段の車を出し入れすることが可能です。
パズル式
パズル式とは、昇降横行式とも呼ばれ、パレットを上下左右に動かすことができるタイプの駐車場です。車の出し入れができるスペースは1台分ですが、パレットをパズルのように動かすことによって、目的の車を出すことができます。車を出す際は、操作盤で目的の車を停めている駐車スペースの番号を押せば、車を乗せたパレットが出入口まで降りて来る仕組みです。
垂直循環式
垂直循環式は高層タイプの大型駐車場で、タワーパークとも呼ばれます。車を乗せたパレットを、観覧車の様に垂直方向に循環させることで、出入口まで車を移動させるタイプの駐車場です。大規模な商業施設やマンションなどで導入されています。
エレベーター式
エレベーター式とは、車を停める駐車室と、車を駐車室まで運ぶ自動車昇降装置を組み合わせることで、立体的に車を収容できるタイプの駐車場です。エレベーター式には縦式、横式、旋回式という3つのタイプが存在します。縦式とは昇降装置の前後に駐車室を設ける方式です。昇降装置の左右に駐車室があれば横式、駐車室が放射状にあれば旋回式と呼ばれます。また、稼働時の騒音が比較的少ないのもエレベーター式の特徴です。
機械式駐車場のメリット
機械式駐車場の大きなメリットは、立体的に駐車できるので限られた土地を有効活用できる点です。他にも、盗難やいたずらを効果的に防げたり、車へのダメージを軽減できたりなど、さまざまなメリットがあります。
盗難やいたずらの心配が少ない
機械式駐車場を操作して車を出し入れする際は、専用の鍵などが必要になります。そのため、屋外駐車場よりも盗難の心配が少ないです。特に、ピット二段式のように地下に収容するタイプや、垂直循環式やエレベーター式のように駐車室に収容されるタイプの駐車場は人目に触れにくいことから、いたずらの防止にもつながります。
日焼けによるボディの色褪せが防げる
地下や駐車室に収容できるタイプの駐車場に車を停めておけば、屋外駐車場のように長時間直射日光を浴びることはありません。そのため、日焼けによる褪色を防ぐことができます。特に、赤い車は紫外線の影響を受けやすく、屋外に放置しておくと色が白っぽくなってしまうため注意が必要です。一度褪色してしまうと、全塗装しなければならない場合もあります。また、風雨に晒されることもないので、汚れがつきにくいのも特徴です。水アカが目立ちやすい白いボディの車や、ホコリなどの白っぽい汚れが浮きやすい黒いボディの車でも、機械式駐車場に停めておけば管理がしやすいでしょう。
機械式駐車場のデメリット
機械式駐車場には多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。入居したいマンションの駐車場が機械式駐車場の場合は、デメリットをしっかりと把握したうえで、対策を考えておきましょう。
入出庫に時間がかかる
機械式駐車場のデメリットとして、入出庫に時間がかかることが挙げられます。自分の車を出し入れする際は、出入り口まで車を呼び出さなければならないため、ある程度の時間待たなければいけません。さらに、駐車場の大きさや仕組みによっては、より待ち時間が長くなってしまう可能性があります。特に、垂直循環式やエレベーター式のように大規模な機械式駐車場では、車を収容する位置によって待ち時間にばらつきがあるので注意しましょう。
停電時には使用できない
機械式駐車場が電気で稼働しているため、停電時は使用できません。万が一、災害などで停電してしまった場合、電気が復旧するまで車が使えなくなってしまいます。非常事態に備えて、入居の際に停電時の対応や連絡先などをあらかじめ確認しておくと安心です。
利用できる車両が制限される
機械式駐車場は規模や立地によって、車高の制限が設けられている場合があります。たとえば、車高が155cm以下までの車しか止められない駐車場では、ミニバンやSUVなどの車高が高い車を停めることができません。所有している車種によっては、機械式駐車場を利用できない可能性があることも十分に考慮しましょう。
メンテナンス費用がかかる
機械式駐車場はメンテナンス費用がかかりやすいという点にも注意しましょう。駐車場のメンテナンス費用は、マンションの管理費や駐車場の使用料などに反映されますが、若者の車離れにより空き駐車場が増えつつあります。さらに、機械式駐車場の場合、車高が高い車は入庫できないケースもあるため、近隣の月極駐車場を借りる人もいるでしょう。そのため、管理費や駐車場の使用料が値上げされる可能性もあるのです。
機械式駐車場は停電時の対応を確認しておこう
機械式駐車場はいたずらや盗難の被害に遭いにくく、防犯面での安心感があります。さらに、直射日光や風雨に晒されないため、車の状態を維持しやすいというのも大きなメリットです。一方で、停電時には利用できないという不安もあるため、緊急時の対応を考えておかなければいけません。まずは契約時に、万一の事態に備えた対応や連絡先などをしっかりと確認しておくようにしましょう。
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